増殖するケア用品
靴磨きが好きになると、綺麗に磨くだけでは飽き足らず、その道具にまでこだわってしまう。
使用したことのないクリームを見つけてしまえば、つい購入してしまう。
あれよあれよとケア用品の数は増え、このありさま。
しかし、これだけの数があっても不思議と使用するものは同じモノにながちなのだ。
やはり、扱いやすさや仕上がりには差があるように感じる。
本当は靴や革の種類に応じて使い分けてる。
なんて職人じみたことを言ってみたい。
だが、結局は自分にとって使いやすいものが、1〜2種類あるだけで足りてしまう。
何十種類もケア用品を使ってみたが、もうこれに落ち着いたよというアイテムを紹介したい。
靴磨きで使用する道具やケース、記録を管理するアプリまであるので、是非ご覧いただきたい。
ブラシ
まずは靴磨きをする上で必須のブラシ。
ブラシ1つとっても、代表的な馬、豚、山羊毛の種類があり、それぞれ用途が異なる。
また、機械式埋め込みの手頃のタイプから、手植えで作られた高価のものも存在する。
そんな中で私の使用しているブラシは以下の4種になる。
馬毛
こちらは埃落としに使用するブラシ。
革靴を履いた日には毎日使用する物なので、少し奮発して高価なものを購入した。
靴全体の埃やちりを払うことが役割のブラシなので、サイズも大きいものにしている。
豚毛
こちらは宮川刷子の豚毛ブラシ。
毛のコシがあって、毛足も少し長め。
木製の持ち手は握りやすく、使っていてストレスもない。
手植えのブラシなので、抜け毛もほとんどなく靴の色の数だけ揃えている。
山羊毛
浅草駅から徒歩1分のところに店舗を構える藤本虎というブラシ屋で、山羊毛を購入した。
一般的な山羊毛のブラシと比較して、毛足は長い(短いタイプもラインナップしている)。
鏡面磨きをするときにワックス塗布面とそうでないところをぼかすことを目的に使用している。
以前は機械埋め込み式のものを使用していたが、抜け毛が多かったため手植えのブラシに買い替えた。
長く使ってみて分かったことは、毛足はもう少し短い方が良かったということ。
というのも、毛足が長いブラシを使用するときは毛先が靴に当てにくい。
山羊毛は特に柔らかい毛なので、毛先なのか毛がしなったところが当たっているのかが分かりにくいのだ。
馬毛のように埃を掻き出すような役割であれば、毛足が長くても良いような気もする。
しかし、山羊毛では私は短めの方が使いやすい。
買い替えならこのブラシくらいだろう。
化繊ブラシ
ブラシの最後は化繊ブラシ。
靴磨きを始めた当初に複数買ったもののひとつだ。
現在の役割としては、帰宅後のソール用のブラシ。
ソールは当然ながら、アッパーなどよりも汚れる。
同じブラシで全面の埃落としをするのを避けるために、この化繊ブラシをソール用として用いている。
手頃でサイズも大きく、ストレスなく使用できる。
クリーム
続けてクリーム。
靴磨きが好きになるほど、クリームの数が増えていくというのはあるあるではないだろうか?
私もとりあえず試してみたい精神が強く、色々と手を出してしまった。
ただ、今メインで使用しているは2種類のみ。
色んなクリームを使用することで、使いやすいものがようやくわかってきた。
乳化性クリームと油性クリームを1つずつ紹介。
THE CREAM(乳化性)
1つ目はBriftHから発売されている乳化性クリームの「THE CREAM」だ。
指で塗ると伸びやすく、浸透もしやすい。
色付けも染料なので、クリーナーを使用すればすぐに落ちる。
何より、個人的に好きなのが光沢がちょうど良いというところ。
靴磨きを始めた当初は、強い輝きこそ正義みたいな思考だった。
今ではつま先を鏡面磨きする靴ならば、それ以外のところは程よく光っている方が光沢のコントラストを感じられて良いと思っている。
このTHE CREAMは使いやすさと仕上がりが上品な光沢感なのでメインのクリームとして汎用している。
CREME 1925(油性)
続けて油性クリームのCREME 1925。
言わずと知れた靴磨き界でも圧倒的な知名度を持つクリームだろう。
このクリームの優れたところと言えば、とにかく補色力が強く耐水性にも優れる。
少し色の抜けてきた靴に使用すれば、すぐにマスクされる。
香りも上品で使用していてストレスがない。
このクリームの使用目的としては、鏡面をのせない靴や雨靴に使用している。
光沢はかなり強く出るので、鏡面をのせない靴にはこのクリームのみで手入れをすることが多い。
また、雨靴は濡れることがあるので、なるべく油分が多いものでケアするようにしている。
過去に市販されている靴クリーム10種類の違いを比較した時にも、耐水性は見込めるクリームだったので重宝している。
ワックス
ワックスも種類が多く、あれもこれもと試してきたが最終的にはSAPHIR NOIRのワックス(黒缶)に落ち着いた。
使用方法は指でベースを何層も重ね、ネル布では軽く整える程度という方法で磨いている。
開封時に乾燥などはせずに、いわゆる柔らかい状態で使用している。
正直なところ固いワックスの方が強く光ってるような気もするが、その反面割れやすいという印象もある。
この柔らかいワックスで磨く方法は、Dratewkaの折茂さんに教えていただいた。
このお店のYoutubeで磨き方が紹介されており、普段からこちらを参考に靴磨きをしている。
クリーナー
クリーナーは用途別に2種類を使用している。
BriftH THE CLEANER(固形) とBoot Blackの2フェイスローションだ。
前者をワックス、油性クリームを落とす用、後者はクリームや汚れを落とす目的で使用している。
水溶性のクリーナーだけでは、ワックスを落とすのに多くの量を使用する必要がある。
革靴に負荷をかけ過ぎないためにも、固形のクリーナーと併用している。
具体的には、固形クリーナーでワックス面を撫でて溶かす。
これで水溶性クリーナーでも落ちやすい状態になるので、その後に2フェイスローションでまとめて落とすという方法だ。
この方法では水溶性クリーナーのみで落とす時と異なり、使用量に大きな差がある。
ソールケア
靴磨きを行う度に使用しているわけではないが、レザーソールの摩耗軽減を目的に定期的にケアをしている。
使用しているのはTapirのレザーソールオイルだ。
テクスチャーがオイルベースということもあって、クリームタイプよりも浸透しやすいように感じる。
シューケアボックス
私の使用しているのはThe 王道。
安達紙器から発売されているこちらのボックス(Lサイズ)。
内容量も多く、背の高いアイテムも立てたまま収納することが可能だ。
このシューケアボックスを手に入れるまでは、革靴を購入したについてくる箱にケア用品を放り込んでいた。
靴箱が3つ目になった頃に、そろそろシューケア用品も整理しないといけないと思い立ち、こちらのボックスを手に入れた。
これ以上にシューケアアイテムを増やさないように戒めの意味も込め、このボックスに入らないものは他の人に譲っている。
このボックスは紙でできているので重さもない。
また、内容量もかなり多く、ブラシやハンドラップなどの収納に少しだけ困るサイズ感のアイテムも入る。
しかし、あまりに詰め込めすぎると、持ち上げるときに底がたわんでいるように感じる。
入れすぎも良くないのだろう。
シューケア用品はこのボックスに収納できて、底が抜けない程度に厳選し続けようと思う。
レザーマット
最近では革を敷いて靴磨きをすることは珍しくない。
私も以前から色んなレザーマットを使用してきたが、今回は自作した。
出来はお世辞にも良いとは言えないが、愛着だけはものすごくある。
レザーマットの上で靴を磨いて、レザーマットの上で写真を撮る。
そしてSNSにあげる。
この一連の流れの中だけでも、あると非常に重宝する。
革靴の管理アプリ
最後は革靴の記録をつけるためのアプリ。
前回履いたのいつ?
最後に磨いたはいつ?
この靴って何回履いた?
新品の時からどんな変化した?
そんな疑問を解決してくれるのが、KutsuRecoというアプリ。
自分の所有靴をアプリ内に登録して、いつどの靴を履いたのかをカレンダー形式で選択できる。
手入れをしたタイミングで写真をコレクションでき、その靴がどんな経年変化をしたのかも画像一覧で確認することも可能だ。
そして、ここがすごい思ったのは次回の手入れ日をアラート機能で知らせることもできるのだ。
何日後かは自由に選ぶことがきるため、非常に使い勝手が良い。
対応しているブランド名もかなり広くカバーされているので、是非一度使ってみるのはいかがだろうか?
愛用品のための愛用品
革靴が好きになり、靴磨きが好きになり、やがて道具にも凝り出す。
革靴好きとしては、王道の沼ルートを突き進んでいる。
道具を変えただけで、仕上がりはどう変わるのか?
おそらく、対した変化はない。
靴磨きのプロではないし。
ただ、道具にも愛着があると、その行為自体も非常に楽しくなってくる。
こだわりぬいて、選びぬいて自分のお気に入りのものが見つかると気分ものってくるものだ。
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