ありそうでない、曲線のデザインが良い
「それ何足目?同じのばっかじゃん」
いつも革靴を買うたびに、周囲から言われる一言。
いやいや、違うんだ!とうんちくを語ろうとする。
こんなやりとり、靴好きは一度は経験しているんじゃないだろうか?
でもこの靴は違う。
購入当初から、靴好きじゃなくてとも、かっこいいと言われることが多いのだ。
所有しているラインナップの影響も大きいが、これまでとはどこか異なる。
ロングウィングというデザイン自体も、靴好きでなければあまり手にすることはないだろう。
加えて、シューレースを縁取るライン、トゥに連なるカーブはあまり見ない曲線だと思う。
さらに言えば、4アイレットというのも意外と少ないだろう。
ありそうでない、でも派手に攻めまくってるわけでもない。
そんなデザインに惹かれてオーダーした靴も、履き始めてから1年が経過した。
今回はその記録を書き綴っていきたい。
履き込み記録
履き込みの状況は、下記の表の通り。
大体、週に1回ほどの着用であった。
年 | 着用回数 | 着用時間(時間) |
---|---|---|
2021 | 39 | 423.5 |
2022 | 9 | 81.5 |
合計 | 48 | 505 |
記録をつけている靴はたくさんあるが、1年で500時間超えの履き込みをしたのはこの靴が初めて。
所有靴はどれも愛着があるけど、その中でも特にお気に入りの靴は自然と履いてしまうものだ。
外観の変化
革靴の経年変化といえば、醍醐味のひとつ。
この靴は、というよりここのシューメーカーのクラストカーフは本当に変化が著しい。
色味は抜けやすいし、入りやすい。
クリームひとつでよく表情が変わるので、手入れをしていても面白い。
現在はこんな感じになっている。
購入時と比較すると、色の濃淡は差がついているように感じる。
ワックスを乗せているので、分かりにくいかもしれないがトゥは左右で色味が結構変わる。
ちなみにケアをするときは、基本的に同系色のクリームもしくはニュートラルのものを使っていた。
また、履き皺についても左右で大きな違いがある。
左足は細い線の連なった皺になっているのに対し、太い線の皺となった。
私は皺入れなどは行わないタイプなので、なるようにしかならない。
また、皺の良し悪しはあまりよく分からないが、それでも左足の皺の入り方は綺麗だと思っている。
修理は必要か?
この1年で着用時間はかなりのものだったが、修理が必要な箇所は特段見当たらない。
トップリフトも充分に残っているし、ソールも削れはあるもののまだ交換は必要ない。
もし、オールソールするタイミングがきたとしたら、踏まずのウッドネイルを再現できる所ってあるんだろうか・・・
履き心地の変化
履き心地については、大きな変化はない。
強いて言えば、購入当初はトップラインがややくるぶしに当たるか当たらないかということがあった。
しかし、今は全くない。
ハンドソーンで仕上げられた靴のせいか、沈み込みもほとんどなく、購入時から快適なフィッティングができている。
革靴のフィッティングの良し悪しは、好みによるところも大きいと思う。
他の所有靴は足を面で捉え、履きこみ前はキツさを感じるものの、徐々に足に合った形に形成されていく。
J.M.WESTONの180などは代表的だろう。
一方、SaintCrispin’sの靴は履き口を小さくしてハイアーチの設計。
押さえられてるような感じるのはここあたりくらいで、他はわりかしゆとりがある。
要所を押さえた、まさしく点で捉えたフィッティングに感じる。
この独特な履き心地が快適で、病みつきになる。
終わりに
今回はSaintCrispin’sのMod.718の経年変化の記録を紹介した。
クラストカーフは変化が著しく、わずか1年でも面白い変化を見せてくれる。
同シューメーカーの靴は複数所有しているので、他の靴の記録も是非ご覧いただきたい。
この靴の次回の記録は2年時になるだろか?
その時にどんな経年変化をしているかが楽しみだ。
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