待望の2着目が完成
仕事着でありながら、こだわりところはいくらでもスーツ。
特にオーダーともなれば、こんな仕様や自分の体型にとことんあわせたストレスなく着れるものを作りたいという想いを抱く人も多いはず。
私もかれこれ5回目くらいのオーダースーツになるが、作るたびにこだわりが増えていく。
そして値段も毎回上がっていく。
今回オーダーしたのは、都内に3店舗を構えるオーダースーツを中心としたドレスアイテムを揃えるZERBINO。
こちらで作るのは2回目となるが、1着目のスーツがあまりにも着心地が快適であったため再度お願いすることした。
オーダーの概要はこのようになっている。
生地 | ロロピアーナ 130s(ネイビー) | |
裏地 | 総裏 キュプラ(ネイビー) | |
ボタン | 水牛(茶色・艶なし) | |
3ボタン段返り | ||
オプション | オールステッチ(ジャケット) | +6,000 |
本切羽 | +3,000 | |
パンツ脇ステッチ | +2,000 | |
フラワーホール(ハンドステッチ) | +2,000 | |
マニカカミーチャ | アップチャージなし | |
モーニングカット | アップチャージなし | |
価格 | ¥ 145,200- | |
仕上がり期間 | 5週間 |
ご覧のようにビスポークでもないが、存分にやりたいことをお伝えして作ってもらうことができた。
今回のレビューの結論を先にのべると、とても満足度の高い仕上がりになった。
仕上がりはこうなった
受け取りの直後の率直な感想は、ラペルの存在感。
前回よりも1cmほど大きくして、クラシカルな印象に。
そして、生地の手触りはテロっとしている。
私がこれまで作ってきたどのスーツよりも糸が細く、綺麗な艶を放っている。
また、オーダー時にこだわりとして、ジャケットにはオールステッチ(AMF)を施してもらった。
ZERBINOのラグジュアリーライン(LL)では、ラペルのAMFステッチは標準の仕様となっているが、今回はジャケット全部とパンツの脇のラインはこのステッチを入れてもらった。
機能面で差が出るところではないと思うが、良い雰囲気が出たように思う。
ディテール
こだわるところもその一つ一つは細かいところが中心であるため、ここからはその詳細を紹介していく。
ラペル・フラワーホール
ジャケットの顔にもあたる、ラペルは太めでクラシカルに仕上げ、その周囲には縁取るようにステッチが入っている。
形状は普段の仕事で着用することがメインなので、最も一般的な下襟が下を向いてるノッチドラペルに。
そして、今回は左側のラペルにあるフラワーホールを手縫いに変えてもらった。
厚みがあり、盛り上がったようになっている。
前回作った機械縫いのフラワーホールと比較すると違いがよく分かるだろう。
袖
本切羽でボタンは重ねて配置。
南イタリアっぽいこだわりが欲しくてこの仕様を足した。
このボタンを1〜2つ外して抜け感を出すこともあるそうだ。
肩
最もやりたかったのはここ。
空豆型の小さいアームホールに多くの生地を入れることで、肩先から下に向かって入るギャザー。
ナポリのスーツの特徴の一つとも言われるようだが、本当に美しい。
そして、以前オーダーしたものは薄いパッドが入っていたが、この仕様にすることで肩パットも入らなくなった。
いくら薄いとはいえ、肩パッドがなくなることで手に持った時にはウールのカーディガンのようにすら感じる。
とても軽く、手で持つと不安になるくらい柔らかい。
でも羽織るとピシッと美しいジャケットのシルエットになる。
裾
パンツはダブルで幅は5cmほどに。
少し幅を取りすぎたかなとも思ったが、着用したらなんら違和感なし。
また、上記の画像では右側に向かって斜めになっているのがお分かりだろうか?
これは爪先の方とかかと側に少しだけ傾斜をつけて、足が長く見えるモーニングカットと呼ばれる仕様にしてもらった。
通常、ダブルでこの仕様を行うことは少ないようだが、ナポリでは行われているようだ。
着てみる
ここからは着用した状態を見ていく。
まずはパンツから紹介する。
ダブルなので丈はやや短めに。
今回は細身でピシッと言うよりも、クラシカルな雰囲気を足したかったので、腰回りにもゆとりのあるシルエットに。
これまでは細身のパンツが多かったが、ここまでゆとりがあると着心地もかなり快適になった。
続けて、ジャケットはこのようになった。
ラペルの存在感は着用するとより顕著に感じる。
2枚目の横からの画像でも分かるように肩先にギャザーが集まってるのが好きなポイント。
思ったよりギャザー少ないなと思われるかもしれないが、動作時に深くなったり浅くなったりするので、着ていると結構分かるもんだ。
背中の中央にもシワは無く、何より着ていて軽い上に腕まわりの動かし方が本当にストレスなく動くのだ。
手入れは?
今回選んだ生地はS130とかなり細い糸で繊細な生地かつ肩にはギャザーを寄せた仕様にしているため、普段のケアを誤ったら、傷んだり形崩れするんじゃないかと不安があった。
繊細な生地にブラシをガシガシかけて良いものか?
クリーニングに出したらギャザーが綺麗に整わず返ってくるんじゃないか?
これらの内容を相談してみると、以下の答えをもらえた。
- 日頃のブラッシングは問題なく行って良い(むしろ埃を掻き出すように強さも必要)
- クリーニングは信頼のできるところに年1回程度でも良い
正直なところ、普段のクリーニングは白洋舎のローヤルクリーニングを使用しているが、まあ大丈夫だと思いますよとのこと。
高級クリーニングと探せば多くヒットするがそれらには得意な分野があるようなので、ちゃんと見極めてからお願いするのが良さそうだ。
あとは、普段からスーツに負担をかけないように、厚みのあるハンガーの吊るしておくのも大事だろう。
ちなみに今回のスーツに合わせて今回も中田ハンガーを買い足した。
スーツライフをゆたかに
私の周囲ではスーツは仕事着だから、そこまでコストはかけないという人が多い。
でも、仕事でスーツを着用する人であれば、スーツの着用時間はかなり長いものになるだろう。
以前も書いた内容だが、自分が身につけたり、使うものでその使用時間が長い日用品を良いモノにすることは満足度の高い生活が送れるんじゃないかと思う。
私も今回作ったスーツは着心地はもちろんのこと、こだわったところが形となったので、受け取った時にはすぐにでも着ていきたい思うばかりだ。
そして、もう一つの発見は同じところでスーツを作り続けていくと、自分の好みやスタイルみたいなのが伝わってより完成度が高いものを作れるんじゃないかと思う。
実はこのスーツ受け取り時にジャケットをオーダーしたのだが、私の好みの仕様をあれもこれもと提案していただける。
▶︎ZERBINO オーダーレポート③(ツイードジャケット)
また、判断に迷った時は integural さんのスタイル的にはこちらの方が良いんじゃないですか?といったアドバイスをもらえる。
特にオーダーの場合には決め事がいくつかあるので、自分の好みを分かってもらえるいきつけがあると良いものができるんじゃないかと思う。
今回も満足度の高いスーツができました。着ていくのが楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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