ひたすらにコバを磨く。上品か下品か?

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コバを美しく仕上げたい

靴磨きをする上でメインとなるのはアッパー。

革靴の印象を左右することからも、念入りに手入れをする人も多い。

一方でコバはどうだろうか?

よく靴磨きを紹介しているメディアでは、コバが綺麗に仕上げられていると美しさが一段あがるといった表現を目にする。

実際に手入れの行き届いたコバは綺麗に見える。

ただし、手入れ方法は手がかかるのも事実。

汚れを落としから始まり、ヤスリでならして補色、さらにはワックスで・・・

このように面積の割に合わないような労力と時間を必要とする。

正直に打ち明けると、コバの手入れは半年に1回やるかどうか。

さらに、その1回もショートバージョン(紙やすりなし)で終わらせることもしばしばある。

ただ、今年はCV-19の影響もあって家で退屈にしている時間がある。

そんな有り余った時間をフル活用して、入念に入念にコバを磨いた。

手をかけ過ぎたコバの手入れの記録をご覧いただきたい。

いつも以上に丁寧に磨いた

今回コバの手入れをするのはこちらの靴。

YANKOのパンチドキャップトゥ。

こちらは4年弱履いていて、既に一度オールソールを経験済み。

実は、その際に厚みがありすぎるJRソールをつけてしまった。

コバを磨いたBefore Afterがわかりやすいだろうっていう仮説からこの靴を選抜した。

手順

手順は一般的なコバのケアと同様。

しかし、今回はいつも以上に丁寧にということで1つ1つの工程には時間をかけて行った。

STEP
汚れ落とし
STEP
やすりがけ
STEP
コバインキで補色
STEP
ワックスで保護

使用するものは下記の4つのアイテム。

  • クリーナー 
  • 紙やすり
  • コバインキ 
  • ワックス

クリーナーやワックスは普段の靴磨きで用いてるもので問題ない。

STEP① 汚れ落とし

ここはいつも通りにコバ表面の汚れを落とす。

使用したのは普段の靴磨きから使用しているBoot Blackのツーフェイスローション。

布に100円玉サイズほどを染み込ませ、コバを撫でていく。

▶︎ クリーナー のまとめはこちら

STEP② やすりがけ

続けて、コバ表面をならすために紙やすりで整える。

今回使用するのは4種類の番手。

600、1000、1500、2000で行う。

靴磨きのHow to 本などでは、もう少し目の荒いものを用いてることが多い。

初めてやすりがけをするときに削り過ぎてしまうのは怖いという心配症からこの番手を揃えている。

今では様々な番手がセットで売られているものもあるので、色々試してみるのも面白そうだ。

目の荒いものから順にやすりがけをしていく。

600番手

かなり念入りに磨いたこともあって、

これで充分だろうってくらい滑らかに。

1000番手

600番で充分かなと思ったがさらに滑らかになった。

色が剥げてしまってきている。

1500番手

手触りだけでは1000番手の時とほとんど違いが出てこない。

2000番手

この辺りからもうやらなくても良いだろう。

色が抜けるだけで表面の状態の変化が分かりづらい。

この工程をやっていて思ったことだが、4種類のやすりがけはいらない。

600番で丁寧に仕上げたら、他はやらなくてもいいかなと思うほどだ。

削ることによって生まれた粉末達が散り、指も真っ黒になった。

それでも今回は少し念入りに上記の番手をそれぞれ研ぎきった。

表面は滑らかで、ずっと触れてられるほど。

まるでニスで丁寧に仕上げられた木工家具のような触り心地。

一方、一部の表面の塗装が剥がれて素材そのものの色がみえてしまっている。

STEP③ コバインキで補色

続いて「補色」を行う。

ここで使用するのはBootBlackのコバインキ。

2〜3回に分けてコバをなぞっていく。

この際に靴を裏返してソールの縁までにはみ出すように塗っていくと、塗りこぼしがなくなる。

長谷川さんの本の受け売りだ。

これで補色は完了。

コバインキ使用の注意点としては

  • つけすぎると垂れる
  • 塗布後に靴を置いたところにインクが付着する

乾燥後はこのようになった。

上手く補色された一方で、やすりがけの後の滑らかな手触りは消えてしまった。

STEP④ ワックスで保護

最後にワックスでコバインキをマスクする。

コバインキは水性のため、雨に濡れると落ちてしまうことがある。

そこで、最後に鏡面磨きで使用するワックスを重ねて保護膜を作る。

ワックスを少量ずつ指に取り、2回ほど重ねてコバ全域に塗布。

その後、ネル布に少量の水とワックスを足して、撫でるようにコバを磨いていく。

そんな仕上げでできたのがこんな感じに。

分かりやすいように、全く手入れをしていないもう一足と比べてみる。

左:コバ手入れ後

表面の滑らかさや光沢が、画像からも伝わるだろうか。

これで完成。

コバまで手入れされている靴は一段と綺麗な見た目に見える。

磨きすぎたコバは下品?

今回は磨いたコバは艶やかでドレッシーに仕上がった。

しかし、人によってはここまで光すぎたコバは少し下品?に感じることもある。

どこか決めすぎているような印象を与えかねない。

もう少し光沢を抑えるには、最後のワックスを重ねる工程で磨きすぎないというのもありだろう。

まあ、履いてればぶつけやすいところなのでそのうちに落ち着いてくるだろうが、、

まとめ

今回はコバの手入れを下記の手順で行った。

  1. 汚れた落とし
  2. やすりがけ
  3. コバインキで補色
  4. ワックスで保護

ルーチン的なケアとして行う必要はないだろう。

あくまでコバの傷や毛羽立ちが目立ってきた時に行うことを推奨する。

また。実際に手入れをする時の注意として、周囲を汚す可能性があるということ。

紙やすりは削った粉が出るし、コバインキは垂れることもある。

こうしたことからも、コバを磨く際はマットや新聞紙を引いて行うことを勧める。

手入れのされたコバは確かに綺麗。でも光すぎたコバは少し不自然。

是非、ちょうど良いぐらいにコバを磨いてみるのはいかがだろうか?

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この記事を書いた人

1992年11月生まれ。
190cmの大男の細かい趣味のブログ。
2020年より「こだラボ」を執筆し、2021年2月に「Lab.」に名称変更。
趣味は靴磨き・旅行・読書・ゲーム・ボクシング観戦。

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