【構想】汎用性の高い靴を作る

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雑に履ける靴

とりあえずこの靴履いておけば何とかなる。

欲を言えば、雨の日でも問題なく履ける。

さらに欲を言えば、シーンを選ばずに使える。

最近はそんな革靴が欲しい。

というのも、私は革靴好きではあるが10足以上抱えるつもりはない(今は)。

そうなると、汎用性が超高い革靴が1足は欲しい。

しかし、厳選10足にすると、雨の日用と割り切った靴にリソースを割くのを悔やまれる。

かといって、ちょっと愛着の薄れてきた靴を無理やり雨の日に履くのもなんだか違う気もする。

こんな葛藤を2度としないために、雑に履ける最高の革靴を目指すことにした。

今回はその構想を書いていきたい。

靴を屈強にするため必要なこと

では実際にどんな靴にするのかを考えてみる。

靴を屈強な仕様にするためには、個人的には下記の3つをどんなものにするかが重要だと思う。

屈強な仕様にするための構想
  • ソール
  • 製法

ソール

まずはソール。

ここは当然ラバーソールが筆頭。

やはり雨の日に履くにはレザーソールはきつい。

ではラバーソールの中で何を選ぶのか?

代表的な4つのソールから検討することにした。

ラバーソールの候補
  • ビブラムソール
  • コマンドソール
  • ダイナイトソール
  • リッジウェイソール

恥ずかしながら、私にはラバーソールの着用経験がほとんどない。

特にリッジウェイソールは履いたこともなかったので、SNSで繋がっている方々から使用感を教えていただいた。

その結果、ダイナイトは経験上よく滑り、ビブラムは種類にもよるがアウトドア感が強すぎるため、リッジウェイソールを第1候補とした。

このソールはJ.M.WESTONのゴルフなどにも採用されているが、実際に着用されてる方々の使用感は以下の内容だ。

リッジウェイソールの使用感
  • ダイナイトより滑りにくい
  • 履きこむと傾きやすい(歩き方にもよる)
  • 重たい
  • 硬い(でも嫌な感じではない)
  • 返りがつきにくい
  • 耐久性が高い
  • ソールの縁に突起がなく横顔が素敵

ちなみにJ.M.WESTONのリッジウェイソールは他のメーカーのものよりも硬いという意見が多数あった。

メーカー毎に性能に差があるのは当然だが、上記の内容は重複する意見が多かった。

こうした意見からも重さはあるもの、耐久性や滑りにくさという点では優れているのだろう。

雨靴のアッパーというと、ガラスレザーなどのコーティングされた革であれば耐水性としては申し分ない。

しかし、完全に好みの問題だが、コーティングされた革以外を履きたい。

これら以外の雨靴に使われる革は、定番のグレインレザーやユタカーフなどの型押し革、スエードなどもよく見かける。

そんな中で私の候補は、暗い色のハッチグレインを検討している。

この革は200年前の沈没船から見つかったロシアンカーフに似せて作った菱目状の革の1種だ。

出典:http://cou-shop.jugem.jp/?eid=1269

結論から言えば、この革は雨に対して特別強いものではないというのをよく見かける。

強いて言えば、その型押しされた表面の特性状、雨シミなどが目立ちにくい。

色が明るかったり、スムースレザーだとシミも目立ちやすいが、それよりはマシという立ち位置だろうか?

これだけ雨に強いと言われている革がある中で、ハッチグレインを候補にしたのは美しさ。

荒々しさも兼ね備えた型押しに惹かれた。

有名どころの革だが、カッコ良いものはカッコ良い。

製法

革靴の履き心地や耐用性は製法が大きく関係すると言われている。

今回は 屈強性>履き心地 を目指した靴にする予定だ。

また、「長く履ける」という点も捨て難いので、オールソールのしやすいウェルトのある製法を検討。

ノルウィージャンウェルト製法

この屈強さとオールソール可能という点を備えた製法は、ノルウィージャンウェルト製法が第一候補。

力強さを感じるステッチに注目を集めそうだ。

出典:https://vass-shoes.com/shop/budapest-bp-10/

革靴好きの多くの人から読まれている「紳士靴を嗜む」(著 飯野高広)でも、

製法上は最も頑丈な靴と紹介されていた。

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重さはあるものの、登山用の靴などに採用されていたことから屈強さは申し分ない。

また、断面がL字型のウェルト(ストームウェルト)が使われることが多い。

ウェルトが靴の内部に潜らない形となるため、耐水性にも優れる。

出典:https://dictionary.jlia.or.jp/detail.php?id=946

しかし、この製法では独特なステッチやボリュームのある仕上がりになるので、ドレスシューズとして使うことは個人的にやや抵抗を覚える。

しかし、どんな過酷な場所でも履いていけそうなのは大きな魅力の1つだ。

ストームウェルト

前項のノルウィージャンウェルト製法は屈曲さは申し分ないが、やや着用シーンが限定的になりそうな点は否めない。

なので、ストームウェルトのみを採用するということも候補の1つとしている。

先述の通り雨水などが内部への浸透を防ぎやすくする。

ソールの張り出しなどを考えると、普段使いのしやすさという点ではストームウェルトのみ採用したウェルテッド系製法もありか・・・。

マルチに使えるデザイン

スーツにも合わせることができ、カジュアルな装いでもハマる。

そんな都合の良い守備範囲の広い靴に少しでも近づけたい。

内羽のデザインの靴では、どうもカジュアルの服装では浮いてしまう。

かといってローファーをスーツに合わせると、少し砕けすぎたイメージ。

やはり良いとこどりができそうなのは、外羽のUチップやプレーントゥといったところか。

実際のところ、所有靴のひとつであるSANTARIのUチップは、かなりの万能性を持っている。

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細身のUチップのため、スラックスでもデニムにも合わせても問題ない。

まさにマルチプレイヤーの靴なのだが、この靴はアッパーはボックスカーフでレザーソールという仕様なので、天候や場所によっては履くのをはばかられる。

ただし、革や製法を少し変えたものにすればより守備範囲の広い靴になるので、Uチップが第一候補になりそうだ。

それでも、上記の靴よりもソールに厚みが出そうだし、製法によってはボリュームも出る。

どこまで攻められるかにもよるが、SANTARIのUチップよりはカジュアルによった形になるだろう。

とにかくタフ?

当初、とにかくタフであることを目標としてきたが、構想の段階で個人的な嗜好が反映されることでややタフさは落とすことになりそうだ。

当たり前のことだが、自分の琴線に触れるようなデザインでなければ、履いていても飽きてしまう。

1〜2年で履き替えることは全く想定していないので、自分の好きなデザインを維持しながら、可能な限り屈強な仕様に近づけていきたい。

できることなら、雨の日でも履けて、旅行の時のように連日履けるような靴にしたい。

そんなことで次回の靴の構想を書いてみたが、どこで作ってもらうかというのも大事なところ。

今回は既に作ってもらった経験があり、私にとって最高に履き心地の良い東欧のあそこにお願いしようと思う。

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この記事を書いた人

1992年11月生まれ。
190cmの大男の細かい趣味のブログ。
2020年より「こだラボ」を執筆し、2021年2月に「Lab.」に名称変更。
趣味は靴磨き・旅行・読書・ゲーム・ボクシング観戦。

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