なぜこんなことを?
世の中に溢れている基礎化粧品のレビューのほとんどが情報不足だと思うのは私だけだろうか?
SNSやYouTubeの台頭によって一個人の情報発信が簡単に行われるようになった。
こんな技術革新によって色々な情報を手軽に手に入れることができるようになることは本当にありがたい。
でも、発信されてる情報の質って果たしてどうなんだろう。
特に基礎化粧品の紹介は数は多いけど、
それは無理があるんじゃないか?っていう紹介が多い個人的には多いと感じる。
例えば
- この化粧水を使ったら美肌になりました!
- 〇〇なスキンケア方法は効果あり!
みたいなレビュー見覚えがないだろうか。
まず美肌ってどんな状態?
ニキビとかの肌トラブルがなくなった状態?
それとも目立つ毛穴が見えにくくなったとか?
そして、何より使った個人の情報が圧倒的に足りない。
じゃあ、どんな紹介が必要なのか。
それは”どんな人”が”どんなアイテム”に変えて、”どう変化”したのかだと思う。
もう少し具体的に記すと
○どんな人
- 性別
- 肌タイプ
- アレルギー
- 日常生活(食生活、睡眠、運動)
- これまでどんなものを使っているのか
○どんなアイテム
- これまで使ってたものと何が違うか
- 何を毛ある目的で使ったアイテムなのか
○どう変化したか
- ニキビ肌の人がニキビができない肌に変化した
- 毛穴の黒ずみがなくなった
こんなところだろうか。
まあ、所詮は1個人の少ないデータです。
あくまで情報発信者にとって合う合わない、効く効かないをみるもの。
それでも、なるべくレビューの背景をしっかり説明することで、似たような属性の人にとっては有益な情報になると思う。
ここまでで、とっても面倒くさい人間と思われるかもしれないが、いち薬剤師としてこの辺りははっきりさせたい。
そこで私はスキンケアにおいてワセリンのみのケアと化粧水+乳液のケアでどちらが適していたのかをレビューしたいと思う。
また、本題に入る前に述べておくが、これはあくまで私という個人の合う合わないを検証したもの。
言うならばネット上にありふれているレビューの一つである。
ただその1レビューを細かく正確に伝えていこうというものだ。
私とバックグラウンドが似てる人で有れば同様の効果が得られる可能性があるが、似つかない場合には参考例として見ていただきたい。
試験概要
目的
ワセリンと化粧水+乳液のどちらが肌に適しているか判断する。
判断の指標:塗りやすさ、乾燥の度合い、肌トラブル(ニキビ、炎症)の頻度
方法
方法は至ってシンプルに朝晩のスキンケアを顔の左半分を化粧水+乳液、右半分をワセリンを塗布。
なお、試験開始前は化粧水+乳液のケアを何年も続けている。
ここ半年で使っていたのは無印の高保湿エイジングケア化粧水とエイジングケア乳液。
一方で今回試験対象となるワセリンはこんなもの。
使用したワセリン
ユニリーバ ヴァセリン スキンオイルA
ワセリンとは医薬品の基剤としても使われる安全性の高い油。
私の選んだヴァセリンスキンオイルAは防腐剤無添加、無着色、無香料、低刺激と余分なものは入れていないシンプルなものだ。
その他の含有物としては酢酸トコフェロールとBHT。
酢酸トコフェロールとはビタミンEのことで、油に溶ける脂溶性ビタミンの一つ。
昔試験前に脂溶性ビタミンはDAKEと覚えたのが懐かしい(ビタミンD、K、A、Eは脂溶性)
このビタミンEには脂の酸化を防ぐことから抗酸化作用などで取り上げられることが多い。
お菓子やバターなどの酸化防止剤などで使われることもあり、今回も同様の用途で配合されているかもしれない。
BHTも酸化防止剤として有名な成分であり、こちらも食品添加物としてよく使われる。
何が言いたいのかと言うと、このワセリンは安全な脂で肌に大きな異常がなければ顔に塗っても問題ない。
期間
2020年8月19日〜9月18日
ターンオーバーの周期を28日と仮定しこのスケジュールで行うこととした。
また、ワセリンの効果検証のためそのほかに使っている洗顔や日焼け止めなどのアイテムは試験期間中の変更はしていない。
被験者(私)のバックグラウンド
性別 | 男 |
年齢 | 27歳 |
肌タイプ | 混合肌(Tゾーン以外は乾燥肌) |
普段のスキンケア | 化粧水、乳液、日焼け止め |
食生活 | タンパク質中心 野菜がほとんど食べれない 外食が多い(4~5回/週) |
睡眠時間 | 6~7時間 |
嗜好品 | コーヒー 3~4杯/日 タバコ 吸わない |
運動 | ジム 1時間/週 |
その他 | 普段の仕事は車で移動のため日は当たる 寝不足が続くと発疹が出ることがある |
結果
塗りやすさ
これはワセリン。
化粧水と乳液では2種類を顔に塗布しなければならない時点で手間。
さらに化粧水を塗った後にある程度顔表面の水分が馴染むまで待たなきゃいけないのもずっと感じていた煩わしさ。
一方でワセリンは少量を手に広げて顔に乗せるだけ。
これは楽。
ただ手に残るベタつきとしてはワセリンの方が強い。
水でさらっとは落ちないためつけ過ぎた時なんかは嫌なベタつきがある。
乾燥
両方とも大きな違いはなし。
8月から9月にかけて行ったので外部環境的に乾燥していなかったことで補正されている可能性がある。
ただ夜のスキンケアをして次の日に朝の状態で比較をすると、わずかにワセリンを塗った肌の方が保湿されているか。
肌トラブル
この試験期間中に起こった肌トラブルは以下の通り。
- 8月25日 左頬ニキビ(化粧水+乳液側)→ 9月4日 治癒
- 8月28日 右頬小ニキビ(ワセリン側)→ 9月2日 治癒
- 9月2日 額中央(やや左寄り)に小ニキビ → 9月5日 治癒
面白いことにこれらのトラブルの前日はいずれも深酒をしていた。
遅くまで飲酒をして睡眠時間が短くなるとほぼ確実に肌荒れを起こすのは新しい発見であった。
ワセリンのみでは肌内部の乾燥が進むことで肌荒れ?が起こると思っていたが全くそんなことは起こらず。
スキンケア自体は大事であるが、私の場合はそれ以上に生活習慣の影響度が大きそうだ。
結論
私にはワセリンがあっていた。
これまでいろんな化粧水や乳液を使ってきたが、高価なものも安いものも使い心地こそ違いはあるものの肌の変化として差を見出すことができなかった。
今回はさらに突っ込んでワセリンのみとの比較にしてみたがこの1ヶ月間の検証では効果面に大きな違いはないと判断した。
肌トラブルもあったがどちらも一定期間内で治癒し、肌トラブルの原因も前日の無理が響いている可能性が示唆されたからだ。
むしろ乾燥対策に関してはワセリンの方が分がある。
その他の気付きは下記の通りだ。
刺激が少ない
私は毎朝シェービングをするがその後の化粧水はいつもヒリッとしていた。
一方、ワセリンも全くの無刺激というわけではないが化粧水よりは痛みを感じない。
アルコールフリーの化粧水なども使用経験があるがそれよりも刺激は少ないんじゃないかとと思う。
コスパが最強
効果が同等でありながら、今回比較した化粧水と乳液より圧倒的に安いのも特徴だろう。
このワセリンは細かい値段に違いはあれど200g入って1,000円もしないのだ。
毛穴詰まりが怖い
1ヶ月間のみの使用なので長期で使用したときに毛穴の詰まりは少々リスクか。
というのもテクスチャーは化粧水や乳液と比べては粘度は高い。
1日の終わりでしっかり落として上げないと毛穴のトラブルにつながるのではないかという不安要素もある。
まあ洗顔でしっかり落としてあげれば問題はないが。
汎用性が高い
そもそもワセリンは全身用として使用できるアイテム。
これまで別途身体用のクリームやリップなどを使っていた人もワセリン一つに変更することができる。
ただ、スキンケアクリームと比べると使用感としては個人差があるだろう。
何よりこれ1つで完結もできるので、旅行など行くときにはとりあえずこれを入れておけばという楽さはある。
継続して使っている
この試験後は顔の半分のみならず、全面でワセリン一つに変更した。
まだ使用期間が短いので長期期間使ってみてその変化を確かめたい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ベタベタになるのでワセリンのつけ過ぎにはご注意を!
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