既製靴を数足揃えた後に、生意気にも〇〇なデザイン、あんなカラーの靴を履きたいと自分の理想とする靴像が見えてきた時期があります。
まさに、自分だけの一足が欲しいってことです。
当時、靴をオーダーできることは知っていたのですが、それは全てビスポークだと思っていました。
そして、値段を調べたらとても手が出なかったので諦めました・・・
今思えば、恥ずかしい思い出です。笑
革靴にはビスポークほど柔軟な対応はできなくとも、特定のパーツから組み合わせて作るパターンオーダーがあります。
MTOやMTMなんて呼ばれたりしてます。
- MTO (Made To Order)
- MTM (Made To Measure)
※今回はMTOと記載します。
今回はそのMTOはどこまで自由に作れるのか?というのを私のオーダーした経験も交えてご紹介していきます。
自由度が高い
はじめにMTOの靴とビスポーク、既製靴を比較します。
メーカーによって多少違えど、既製靴のように完成したものではないので、納期が発生します。
その上で、ラストの調整や使う革、デザインなどを選べるのがMTOの最大の魅力ではないかと思っています。
サイズ
革靴を作るには、履く足をイメージした原型が必要となります。
それがラスト(木型)と呼ばれているものです。
今回紹介するMTOではラストの制作は行いませんが、微調整を行なってくれるところが多いです。
したがって、既製靴のようにすでに出来上がったものを選ぶことはなく、指定されたラストを選択し、微調整をすることで可能な限りあなたの足に近い形で作成します。
ちなみにビスポークは職人があなたの足から独自のラストを作り、そこから革靴を作ります。
必然的に費用も納期も跳ね上がることが多いですが、一度はやってみたいですよね・・・
当面無理ですが。笑
具体的なサイズの選び方は、はじめにサンプルシューズであなたの一番近いサイズを見つけます。
その時に「小指付近がキツイから+〇〇mm広げたい」といった要望などを元のラストにあて革で調整したり、ウィズを上げたりすることで調整してくれることが多いです。
もちろん、あまりにもサイズを変えることは元々のラストからの形が崩れるので、対応できないケースもあります。
このように、MTOはラストを作ることははありませんが、元々用意されていたラストを選び、更に微調整を加えることで可能な限り適したサイズを選定してくれます。
この時に、普段から履いている靴のブランドとサイズ、履き心地の好み(タイトめが好きなど)をお伝えしておくと、オーダーもスムーズになる上に理想に近い靴に仕上がると思います。
デザイン
デザインは靴の外観を決める上でもとても重要になります。
MTOを行う人はここで色々と悩まれると思います。笑
また、デザインと言っても靴の型から使う革まで、あらゆるパーツを選ぶことが可能です。
靴の型
デザインはサンプルの中から選ぶ形式になります。
中には、更に自由度が高く決まったデザインの中で更に細かいところの調整などを手がけてくれるところもあります。
基本的には、HPなどで作れるデザインは公開されていますので、そちらを参考にすると良いと思います。
革
革も指定された中から選ぶ形になります。
選択肢が多いところもあるので、いざオーダーする時に悩んでしまうなんてこともあると思います。
ここが一番楽しかったりする。笑
その場合には、革の特徴などを聞いて自分の理想とする靴に適したものを選ばれることをおすすめします。
私をはじめ、初心者が革の名前だけ聞いても分からないことも多いと思うので・・
それでも私は、最後にはシンプルにかっこいいと思ったものにしてます。笑
色
ここは革を選ぶ段階で決まっていることも多いです。
中には、革を指定した後に色も選べるところもあります。
後ほど紹介しますが、私もかなりマニアックな注文をしました。
ソール
ラバーソールかレザーソールかといった選択はもちろんのこと、ソール自体の厚さを選べることもあります。
レザーソールの場合には更に凝った内容でオーダーできることが多いです。
縫い目が見えないヒドュン・チャネルやソール全面を黒くするカラス仕上げなど様々なこだわりを詰めることができます。
実際にオーダーしてきた
原宿にあるBrycelands (ブライスランズ)で、Saint Crispin’s (サンクリスピン)の靴をオーダーしてきました。
事前にSaint Crispin’s のHPで理想とするモデルを決めていたので、同じラストの靴でサイズを合わせてもらいました。
ソールも細かく選ぶことができたので、厚さは8mmでソール前面を黒にしました。
その後に、革を指定した後に限りなく黒に近い緑でお願いしますと面倒なオーダーをしましたが、2つ返事でOKです。笑
ブランドにもよりますが、このようなこだわった要望へ対応できるのはMTOならではですね。
出来上がりが楽しみです。
ちなみにSaint Crispin’sではシューツリー付きで、231,000円(税込み)でした。
渇望していたものなので一切の後悔はありません。
それでも、特に裕福でもない私にとっては勇気のいる決断でした。
こんな方に向いてないかも・・・
革靴に求めるものは各々異なるのは当然のことです。
私は足の形にややクセがあり、既製靴だとどこか妥協するところが多かったことや理想とする色が見つからなかったこともあり、MTOを活用してます。
しかし、必ずしも全員に適しているわけではないと思っています。
例を挙げるなら
- 理想の革靴のイメージがない
- 納期が待てない
- 値段が高い
- 知名度の高いブランドの既製靴が欲しい
と言ったところでしょうか。
気に入った靴を買ってすぐに履けるのは、既製靴の魅力ですよね。
また、MTOは既製靴よりも値段が高いことが多いので、同じ値段を出すなら既製靴で憧れのブランドの靴を履きたいと言うのも理解できます。
しかし、値段だけが障壁ならば私が初めてMTOでオーダーしたLEATHER PORTのIRON DRESSは56,000円(税別)〜から作ってくれます。
気になる方は調べてみてください!
オーダーの際はアポイントを忘れずに!
最後に1点だけ注意ですが、MTOで注文する際は、アポイントを取ってからお伺いすることを強く推奨します。
店頭にフィッティングをできる人が限られていたり、そもそもアポイント制であるところも多いのです。
理想とする靴があるならMTOがおすすめ!
MTOの自由度は幅広く、理想とする革靴があるなら検討してみる価値ありです!
MTOの革靴は普段から百貨店などの店頭に並んでいることはほとんどないです。
そんなこともあり、私も知るまでに時間がかかりました。
初めてオーダーした時は、こんなにも自由にカスタマイズできることに感動すらしたのを覚えています。
理想と近い靴がオーダーできることももちろんですが、オーダーしてる時の靴を作っているという感覚には何とも言えない幸福感を感じられますよ!笑
あなたにとっての理想の靴がMTOで叶うことを祈っています!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント