手植えブラシとは?

藤本虎 手植え山羊毛ブラシ

靴磨きをする時に必要なブラシ。

豚毛、馬毛ブラシなどは、1,000円程度で購入できます。

そして、一度購入すればしばらく使えるモノですよね。

市場に出ているほとんどの靴ブラシは機械で植え込みをされたブラシになります。

これらは大量生産もできるので、売値も安く設定されています。

一方で、ブラシにも高級品と言われている手植えブラシがあります。

値段でいうとどんなに安くても3,000円は超えます。

そして、この手植えブラシは名前の通り、一つ一つ手で毛を植えて作られているモノです。

作り手の想いがこもった芸術品とも言える代物は見ているだけでも、

美しいと感じます。これは靴も同じですね。

そんな手作りの品に憧れを感じて、手植えブラシを購入しました。

購入するまでに色々と調べたことや実際にブラシ屋の職人さんから伺った話を参考に手植えブラシの選び方をご紹介します。

目次

構造の違い

機械式のモノは柄になる木材に多数の穴を開けて、その穴に毛を埋め込むといういわゆる植え込み式のような構造をしています。身近なモノで言えば、一般的に売られている歯ブラシなどと同じ作り方になるかと思います。

一方で、手植えのモノは構造は複雑です。まず柄がハンバーガーのパンのようにサンドするような形となっています。下の柄には毛を入れる穴が空いています。

柄 ハンバーガーでいう下のバンズ @宮川ブラシ

この穴に長さのある毛を引き込み線と呼ばれるヒモを挟むように半分にして柄の穴に通していきます。

イメージ図 

そして、その上から蓋をするような形で出来上がります。このように手植えのモノは柄を上下で挟むので、留め具がついています。手植えブラシの判断する際に参考になるかも知れません。

6箇所の留め具がついてます

このように構造にこれだけの違いがあることから、手植えの方は作るまでのに要する時間もかかり、ほとんどが手作業なので高価になります。機械式は大量生産も可能な構造なのでお求めやすい価格になっています。

機能面の違い

続いて、各ブラシのプロファイルですが、ざっくり分類すると下記のようになるのではないかと私は考えています。

手植え機械式
耐久性
抜け毛少ない多い(特に山羊毛)
毛足短〜長基本的に短い
値段高い安い

この表の内容はほとんどが先ほどの構造から説明がつくと思います。

手植えのブラシは毛を半分に畳んでいるので、毛が切れない限り抜けないですし、毛足の長さも職人さんの腕に依存することも多いですが、長さにもバリエーションを持たせられる。そして作る複雑さと手間から値段は高くなるということです。

職人の作ったブラシの見極め方

続いて、ブラシの見極め方です。

手植えブラシにも職人さんが作っているものや内職などを雇って生産性を上げているブラシ屋があるそうです。

実際に職人さんにも伺って聞いた話なので、これから手植えブラシの購入を検討されている方に少しでも参考になると嬉しいです。

見極め方は結論から言うと

『 手植えの豚毛洋服ブラシを扱っているかどうか 』

です。

洋服ブラシは靴以上に繊細な衣類に使用するモノになります。

豚毛を用いる際はより細く長さのあるものを用いなければなりません。

しかし、この細く長い豚毛は非常に扱いが難しいようで、腕のある職人さんでなければ洋服ブラシとして扱うことができないそうです。

したがって、豚毛の洋服ブラシが置いてあるところは職人がいて、靴ブラシも職人が作っている可能性が高いということになります。

もちろん全ブラシ屋に当てはまるものではないかも知れませんが、参考までに。

また、ブラシの毛にも靴のタンナーのように有名どころがあるようで、豚毛であれば中国の『ジュウケイトンモウ』の毛が昔から良いものを作っているそうです。

手植えブラシブランド一覧

最後に手植えブラシの扱いのあるブラシ屋を記載しておきます。

行けるところは実際に足を運んでみましたが、どこもこだわりを持っているお店ばかりなので、足を運ばれることをおすすめします。

※未完成なところも多いので、補足情報などある方は教えていただけると幸いです。

スマホでご覧の方は画面を横にした方が見やすいかと思います。


馬毛 豚毛 山羊毛 オンラインショップ 備考
かなや刷毛 6,325円(一般用)7,700円(プロ用) 白毛 
6,325円(一般用)
7,920円(プロ用)
7,238円(一般用)
7,920円(プロ用)
一般用とプロ用は引き込み線がステンレスかナイロンかの違い
ブラシの平野
5,500円
返りシェイプ
黒毛
5,500円

白毛 
5,500円

Zapatro 5,060円
柄7色展開
5,060円
柄7色展開

宇野ブラシ UNO BRUSH 4,400円(小馬毛)
3,850円(小白馬毛)
3,850円(小黒馬毛)
伊勢丹オンラインショップで購入可能
イシカワブラシ 12,800円
(尾脇毛のみ使用)
シューシャインワークス別注 納期1ヶ月
青山工房 3,780円
(黒・白・茶)

藤本 虎 4,400円(短) 5,500円(長) 4,620円(黒豚毛 短)
6,050円(黒豚毛 長)
6,600円(白豚毛 短)
7,700円(白豚毛 長)
5,060円(短)

6,050円(長)


※2020年開設予定
白豚毛は貴重であるため生産数かなり少なめ
宮川刷毛ブラシ製作所 7,000円 6,000円(サイズ小)

7,000円(サイズ大)
※山羊毛の扱いは無いが代用になる馬のたてがみを使ったブラシあり 5,000円
寺沢ブラシ製作所


問い合わせで作成可能か? SNSに靴磨きブラシ(馬・豚)あり
山田刷毛ブラシ製作所



国田ブラシ製作所



終わりに

今回は手植えブラシを購入するまでに調べたことをまとめる形で記事にしました。本当にブラシにもたくさんの種類があり選ぶのがほんとに悩みますね。笑

ちなみに私が購入したのは

  • 宮川ブラシ 白豚毛(細)×4
  • 藤本虎 山羊毛(長) 

になります。

統一感が好きなので、豚毛は同じもので揃えました。

また、持ち手の木材のところはひとつひとつ異なります。

お店では、実際に手にとって選ぶことができるので、足を運ばれることをおすすめします。

色毎に変える豚毛は沢山買いました。

手植えブラシひとつとっても個性がいろいろあるので、あなたに合うものを探してみて下さい。

そして、長く使うモノになるので一番大切なのは持ちやすく、使いやすいモノを選ばれることをおすすめします。

良いブラシは靴磨きを一層楽しみにしてくれます!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

1992年11月生まれ。
190cmの大男の細かい趣味のブログ。
2020年より「こだラボ」を執筆し、2021年2月に「Lab.」に名称変更。
趣味は靴磨き・旅行・読書・ゲーム・ボクシング観戦。

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